相続人と法定相続人、推定相続人の違いがわかりません

相続や贈与に関連する書籍やホームページには「相続人」や「法定相続人」、「推定相続人」といった用語がたくさん用いられていますが、厳密に言えば、それぞれ少しずつ意味が違います。

「相続人」と「法定相続人」は、両方とも相続をする人という意味で同じように使われることが多いですが、法定相続人は「相続する権利を有する人」のことをいい、相続を放棄して相続をしないとしても、その人は法定相続人になることとなります。

これに対し「相続人」とは「実際に相続により財産を取得した人」のことをいい、相続を放棄した人や相続欠格事由により相続権を失った人、被相続人より相続人から廃除された人は除かれます。

相続欠格とは、相続に関係する法律に触れるような重大な罪を犯したため、相続権が剝奪されることをいい、これは被相続人の意思とは無関係に行われます。
相続人廃除とは、相続人から虐待を受け、または重大な侮辱を受けたりした場合等に被相続人が家庭裁判所に請求してその相続人の地位を奪うことをいいます。相続人廃除の申し立ては、被相続人が生前か遺言書でしかすることは出来ません。

また、贈与においてたびたび用いられる「推定相続人」とは、簡単に言えば「これから相続人になるであろう人」をいいます。
例えばその人(被相続人)が亡くなる前に、推定相続人が相続欠格や相続人廃除により相続人の権利が剝奪された場合には、法定相続人(相続の権利を有する人)とはなれないこととなります。相続開始後に法定相続人の調査が行われ、法定相続人が確定するまでは「推定相続人」になります。

 

 

2019年03月31日