貸付用不動産の評価方法の見直し

令和8年度税制改正において、賃貸不動産の市場での販売価格と、相続税の計算の基礎となる評価額(相続税評価額)が乖離していることを考慮して、重要な見直しが行われました。

2027年(令和9年)1月1日以降の相続・贈与から、亡くなった日(または贈与した日)からさかのぼって「5年以内」に購入・新築した賃貸不動産がある場合には、今までと評価額の計算方法が変わります。

具体的には、以下のとおりです。

 

取得からの期間 改正前(これまで) 改正後(2027年1月〜)
5年以内に取得 路線価ベースで評価(従来通り)

評価額:従来の相続税評価額(路線価×地積をベース)
取得価額ベース(時価)で評価

評価額:購入価額の80%程度で計算
5年超保有 同上 路線価ベースで評価(従来通り)

例えば、改正前の規定によれば、時価1億5千万円(建物5千万円+土地1億円の購入額)の賃貸マンションを相続した場合、従来は約7千万円~(不動産状況により変動)の評価額となります。
これに対し、改正後によれば、時価1億5千万円×0.8=約1億2千万円となり、改正前よりも大幅な評価額の上昇が見込まれます。

なお、いずれの場合においても、要件を満たせば、さらに小規模宅地等の特例【相続人が賃貸不動産(取得してから3年を経過)を取得した場合の50%評価減の特例】により、限度面積200㎡以内は50%が減額されます(予定)。

※このほか、不動産を小口化した投資商品(小口化不動産)のうち、「小口化された貸付用不動産」についても見直され、従来の路線価による評価から、取得時期にかかわらず、通常の取引価額を基準に評価額が算定されることとなりました。

 

令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日閣議決定)一部抜粋

 

2026年07月20日